4月~9月にかけて発表された論文の裏話-その①

Estimation of total energy requirement for sewage treatment by a microbial fuel cell with a one-meter air-cathode assuming Michaelis–Menten COD degradation

Taiki Yamane , Naoko Yoshida and Mari Sugioka, RSC Advances, 2021, 11, 20036 – 20045

4月に現M2の山根君が就職活動中に投稿し受理されました.この論文は微生物燃料電池の有機物分解速度から電力と処理を予測計算しエネルギー試算につなげる方法論を実験データとともに示したものです. M1の夏には出そうと準備しましたが、はじめの投稿でEditorリジェクトされ次に投稿した雑誌では2名の査読でOKになったところで、Editorがでてきて注文が付き、さらに4人目の査読者がついて没になるという大変な経験をしました.就活が始まる前に終わるはずがタイミングが重なり、両立が大変だったと思います.ジャーナル?エディター?に翻弄されつつ、3つ目の雑誌に投稿したところ、高く評価してくれMinor revisionで修正の後、受理されました. モデル化の仕事は計算し改善につなげる意味でとても重要と思いますが、新事実の発見!のような分かりやすい新規性がないため、評価され辛いようです. 

投稿する段階で終わった仕事であり、自分達が行ったことの価値は変わらないと言い聞かせていますが、リジェクトは辛く苦いものです.そして必ず新しい成長をくれます. 嫌な思い出をモチベにかえて次の飛躍につなげれば良い思い出に変えられます. 若い学生の皆さんにとって、今は苦い日々でしかないかもしれませんが, 実は挑むことができる人しか経験できない財産でもあったりします. 何であれ味わった経験を肥しにかえていってください.

国際電気化学学会5th AP-ISMET Conferenceに参加しました

7月16日~18日に開催された国際会議「The 5th Asia-Pacific International Society of Microbial Electrochemistry and Technology Conference」にて、孟特任助教が口頭発表を行いました

発表タイトル 

Electro-active soil microorganisms mediated the electron transfer for the dechlorination of trichloroethene by pure Dehalococcoides culture

2020年度卒業生・修了生を見送りました

1名の卒業生と2名の修了生を見送りました。皆さん、この1年間、本当によく頑張ってついてきてくれました。私自身、皆さんの頑張りに突き動かされていたように思います。この研究室にとっては初めての修了生となる藤井さんと杉岡さんは、研究室が誇る修了生第一号に躍進されました。3年前と変わらず真っ直ぐでありながら、3年前には考えられないほど逞しく頼もしく成長されました。4年生で卒業された長橋さんは、精力的に実験を進め、主体的に研究を進められるまでに成長されました。欲を言えば引き続き一緒に実験して議論を交わしてみたかったですが、道は違えど心ある仕事をして社会に貢献されることと信じています。

どうぞ、これからもよろしくお願い致します。          2021/3/30 吉田奈央子

第55回⽇本⽔環境学会年会 に参加しました

杉岡 真璃(M2)「300Lスケールの微生物燃料電池によるエネルギー削減効果 」
藤井 健 (M2)「流速を考慮したMichaelis Menten式による下水微生物燃料電池の電流試算」
浅井 柾樹(B4)「Dehalococcoides mccartyi NIT01株の塩素化エチレン脱塩素化酵素の特定」
富田 竜也(B4)「低炭素数炭素源がDehalococcoides mccartyi NIT01株の脱塩素化及び微生物病原リスクへの影響評価」