電流生産微生物の新種提唱論文がMicroorganismsに発表された裏話

Isolation and Polyphasic Characterization of Desulfuromonas versatilis sp. Nov., an Electrogenic Bacteria Capable of Versatile Metabolism Isolated from a Graphene Oxide-Reducing Enrichment Culture 

Microorganisms 20219(9), 1953; https://doi.org/10.3390/microorganisms9091953

Li Xie,Naoko Yoshida,Shun’ichi Ishii and Lingyu Meng

豊橋の海岸沿いの砂浜から分離した電流生産微生物を新種として提唱した論文です.Desulfuromonas属の新種として、この属の既報の微生物には見られなかった硝酸還元能があったことから、‘Desulfuromonas versatilis’ と提唱しました(とはいえ、オフィシャルに認められるには、ここから2国の培養寄託機関に寄託しIJSEMに公式な学名として認めてもらうよう申請する必要があります).ゲノム配列を読んで驚いたことは、機能遺伝子の新規なこと!GeobacterやShewanella属はよく研究されていますが、Desulfuromonas属の電流生産にかかわるタンパクはほとんど手が付けられていないのに驚きました.環境中でたくさん電流生産微生物として検出されているのに、意外・・・基礎研究と応用研究の両立は難しいですが、GeobacterやShewanella属の先人の偉業を道しるべに、コツコツ基礎研究も続けたいものです.

この論文の執筆中に、第一著者の謝さん・孟さんご夫妻に第一子が誕生しました. 謝さんとゲノムに基づいて代謝経路について固めていく作業は楽しかったです.研究職に限ったことではないですが、働き盛りがライフイベント乗り越えながらキャリアアップするのは大変ですが、将来のアカデミアを支える貴重な時期をみんなで応援したいものです. 

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